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美しきものの伝説 シアタートップス【新宿】
2003/12/04(Thu)
出演:青山草太
思いのほか小さな小さな劇場でした。キャパ150人程度、ビルの4Fの小劇場。
当日券で入ったら、一番前の席に案内されました。
時代は大正デモクラシー。人々の自由な意見が日本の空を飛び交い、それを抑えつける権力。あらゆる自由人たちが思想を述べては投獄に投げ込まれる時代でした。
平塚雷鳥の青踏社、幸徳秋水の大逆事件、赤旗、社会主義…
こんなキーワード、授業で習いましたよね。
この時代に生きるパワフルな人間たちの生き様を書いた芝居です。
歌舞伎から新劇へ。芸術人たちと切っても切れない政治論。右、左、無政府主義者。
大なり小なり思想をぶつけあい、高みを目指す人々。
時にわがままで純粋な、生命力に溢れる登場人物が魅力的でした。
しかし
正直、観疲れました。
こういう内容のむずかしい台詞劇では、いかに納得のゆくように聞かせるか、観客を納得させるかが重要だと思うのです。
演技は上手いけれども言いたいことが伝わってこない場面も少なからずあったりしました。
一幕はまだ集中して観ていたため内容も(力技で)理解していましたが、二幕ではさすがに疲れてしまいぼんやり観ていたところ、何を言いたいのかがよくわからぬまま終わってしまった感じです。
パンフに挟まっていた登場人物の背景を後から読み『…ああ!』なんて納得した点も多かったです。
もう一度観ればもっと理解できるのかもしれませんが、こんなにくたびれるとはまさか思いもせず…
楽しみにしていただけに、ちょっぴり残念な観劇となりました。でもこれ有名なお芝居なんですよね。やっぱり私の勉強不足だと思います。
とくに一幕の最初と二幕の終わり。だらだら始まってだらだら終わったのが悪かったのでは。
ラストシーンはキレイだったので割とすっきりしましたけれど、もっとハートを掴んで欲しかった。残念。
休憩時間を挟んで二幕の最初。ちょっとしたエンターテイメントがありました。
ショートコント?風のミニお芝居で、『観客との溝を埋める!』というものでした。これが凄く面白かった!爆笑です。
草太さんの出番は二幕の最初なのでここには出られていなかったです。
他にも、会場内で席の案内などしてくれる団員の方がステージにアクセントや解説として登場したり、小技が効いていました。
草太さんは出番は少なかったものの、大変説得力がありました。
もちろん私がここの場面でめちゃめちゃ入り込んで観ていたせいもありますが…
贔屓目なくして客観的に見ても、良かったと思います。
彼の主張は、芸術とは何か。流行の舞台を作り上げた先生に、本当の芸術について物申す、というもの。
薀蓄を述べる彼に『それは書生論だよ』と制する先生。そこですかさず『僕は書生です』。一瞬の間。
ここが大変素晴らしかったです。ドキッとしました。
朴訥な学生のストレートな意見を語る場面なので、理解しやすかった事も幸いしました。
逆に演じる側は、真面目で実直な青年役のため余計な抑揚やら装飾をつけるわけにも行かず、ただ語りのみで聞かせなければならない。難しかったのではないでしょうか。
乾役の時も感じた事ですが、草太さんって体が大きいわりに、舞台に立つと小柄に見える?
学生服を着て立っている姿があの赤ちゃんのようなうるうる目と相まって、えらくスリムで小さく見えたのです。
井川遙が霞んで見える程のかわいらしさでした。
今回の舞台は私的には今一つでしたが、草太さんピンで見ると良かったと思います。
次の舞台はテニミュですね。学生服からイモジャに着替えてがんばってください、草太さん。
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