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11人いる! 初日 【シアター代官山】代官山
2004/06/25(Fri)
出演:郷本直也 ほか11人
直也さん所属のBlueShuttleがプロデュースする演劇ユニット「Axle(アクサル)」の第三回公演として、「11人いる!」が催されました。
第三回公演とはいえ、第一回公演はテニミュ以前であるため謎に包まれたままです。
第二回公演「ペンシル」は昨年の今頃、同じくシアター代官山でおこなわれました。
詳細はレポートを書いてありますのでそちらをご覧ください。
本作品「11人いる!」ですが、原作は萩尾望都の有名なマンガ。ちょっと昔のマンガです。
宇宙を舞台にした物語で、宇宙大学の試験中のハプニングを題材に友情、愛情、そして夢や価値観、希望絶望などいろいろな要素が折り混ざった主張のある作品です。
今回の舞台化に伴い原作を読んでみましたが、大人向け要素が強くとても面白いものでした。
あらすじはこんな感じです。
難関校である宇宙大学への入学試験。
そこに集まった多くの受験生たちは「実地試験」の名の下に10人一組で宇宙船へ乗り込む。
そこで惑星が一回りする間、つまり53日を過ごす事が試験の内容というもの。
乗り込んだ途端に宇宙船のトラブルで爆発が起こってしまいました。
あわてて照明を灯したその場にはなんと、1人多い11人が。
11人目は誰だ?目的は?
あらゆる理由と目的を持って試験に参加している受験者たちの中に混乱と疑念が渦巻きます。
「もうダメ!」
そんな時は赤い非常ボタンを押下すれば即刻試験は中止となります。が、押さないメンバーたち。
リタイアはいつでもできる。この試験に賭けるもの、背負うものをそれぞれが持っているのです。
当惑の中 試験の目的である53日間を過ごす受験者たちですが、生活の中にもそれぞれの思いがぶつかりあい巻き起こるハプニング。
殺人疑惑。
性別不明のメンバー。
伝染病の勃発。
謎のままの11人目。
終盤には記憶を封印されていた主人公「タダ」がトリガーとなり、様々な謎が解明されていきます。
スピーディーな展開の中、ギャグありラブありアクション?ありダンスあり。そしてちょっぴり考えさせられる場面やセリフもあったりして。
直也さんはもちろん主人公、「タダ」役を好演されました。
舞台は八百屋舞台というのでしょうか?客席に向かって傾斜がついていました。
ドキッ!男だらけの舞台でしたが狭くみえなかったのはこの舞台のおかげでしょうか。
近未来的なセットは段差が多く、圧迫感は少なかったです。
ジャンプしながら舞台奥や手前に一歩踏み出すだけでも凄く遠近感があるように感じました。
開演直前には前説?の放送が流れます。
「宇宙大学受験生のみなさん!」
私たち、受験生なのですね。嬉しいなぁ
携帯を切ってね、等のよくあるアレですが、ちょっぴり面白くて会場がなごやかなムードになったのが暗い中でもわかりました。
暗転の後、いきなり11人+1人(教官でした)が登場!
さすがにぎゅうぎゅうでしたがすぐ見慣れます。
一人一人が熱いセリフを述べながらダンス!いきなりダンスです。それも結構ハードなものを。
その後は大学受験中の風景。一人一人がコンピュータのキーボードを太鼓のように叩き込み、これにだんだんリズムがついてきて、最後の方は和太鼓の合奏?のような感じになってました。
凄い!アイデア勝負!
でもこの太鼓、ずいぶん長い事叩いていました。
そのうち観ているこちらもリズムに乗ってきて、舞台上の人も楽しそうに笑顔で太鼓を叩き、私も楽しくて笑顔満開、皆ニコニコで会場は既に謎の集会…
進行は基本的に原作に忠実です。
ところどころアレンジがしてあり、思わず笑ってしまうネタもごろごろ。
ド忘れしてしまいましたが、うっかり「わはっ」と声を上げてしまった場面すらありました。
見所は、彼ら10人の物の考え方。
出身惑星も違えば人種も違う、思想も違う。目的も背負うものも人それぞれ。
どんな十字架を背負っていようと、ここに立っている以上条件は同じ。
「人生に言い訳はきかないんだ」って暗に言われた気がしました。
社長さんでも僕らでも お風呂入るときは皆ハダカ ですね。
逆に、どんなハンデを背負っていても、克服すれば上に上にのぼる事ができるというメッセージも感じました。
人間皆平等ではありますが、スタートラインは違うのが現実です。
それをどう克服するか? 苦労して勝ち取った物を生まれつき持っている人をどう捉えるか?
その人の存在は自分にとって必要?不必要?
そんな事を自分のまだ浅い人生経験と照らし合わせながらぼんやり考えてしまいました。
直也さんは好青年、というよりかわいい純朴青年のイメージです。
まず何と言っても声が!声が高くてかわいい!
なんといっても直近で聞いた声が海堂薫ですから、特に…
タダという人物の素直な雰囲気が、はじめのたった一言二言のセリフで伝わってきました。
それから表情!
さすが芸の細かさ世界ナンバー1の直也さん。あらゆるところで細かいのです。
他の人たちが笑っている中、フと考え込む表情になったり、くすりと微笑んでみたり…
終盤フロルのそばにいる時の微妙な感情が口元にちょびっと表れているのを見つけたりした時はなんだか感激してしまいました。タダの優しさを直也さんの表情にみた気がします。
そして笑いどころとして、タダがフロルにヒゲを抜かれちゃう場面があるのです。
「ぃいったっっ!!!(ぴょん)」
本当に痛そうで、本気で一本抜いたのかと思ったぐらい(笑)
フロルさん、抜いたそれ私にください。
見所満載の2時間弱、人数も多いため隅々まで観られなくって残念です。
舞台に直也さんがいるとついついそちらに目が行ってしまうので…
何度も足を運んでいるうちに、今日気づかなかった事なんかも見えてくるといいなって思います。
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